小学生の頃、親子参加型のイベントに母と参加しました。

その中で、子どもが目隠しをして並んでいる人の手を握り、自分の母の手を見つけ出すというゲームがありました。

 

弟たちが生まれ、私が物心ついた頃には、私が母と手を繋ぐ機会はほとんどなくなってました。

そのため、母の手の感触を思い出すことはできませんでした。

 

しかし、水仕事で指先のひび割れに悩む母を見ていたので”母の手はカサカサしているはずだ”という確信がありました。

そのため、母の手を見つけられる自信がありました。

しかし、実際に触ってみると、どの人の手も柔らかく温かかったのです。

 

結局、母が強く握り返してくれた事で、母を見つけ出すことができました。

帰宅後、母にそのことを話すと、「カサカサした手では恥ずかしいから」と、普段は使わないハンドクリームを塗って参加したと言われました。

私は、いつも指先のひび割れに悩む母でも、きちんとケアをすればこんなにも手の感触が変わるというこ事に驚きました。

また、私のために普段しないケアをしてくれた母の温かい手は、当時の私にとって、泣きたくなるほど優しいものでした。